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オッシュマンズ新宿店
20周年特別企画
FISHES
Shaped by Ryan Burch
いま、よりパフォーマンス性を高めたフィッシュがシェイパーやフリークたちの間でにわかに盛り上がっている(もちろんBlue.も大好きな話題!)。そして、その流れの先頭に立つひとりがライアン・バーチであることは、多くのファンが認めるところだ。
そんな折、オッシュマンズ新宿店に8本のフィッシュがやってきた。すべてライアン・バーチがシェイプしたもので、オッシュマンズ新宿店が20周年記念としてオーダーしたボードだそうだ。そのうちの1本はすでに新オーナーの手に渡っていて、今回出会えたのは7本。せっかくの機会なので、天才と呼ばれる男がシェイプしたフィッシュをじっくり眺めてみようじゃないか。
その前に、まずはライアン・バーチがどんなサーファーなのかをおさらいしてから、ボード解説に移るとしよう。
ライアン・バーチ
自由奔放な天才
ライアン・バーチは疑いなく、類稀な才能を持つサーファーであり、シェイパーだ。
ジョエル・チューダー、スキップ・フライ、リッチ・パヴェル、カール・エクストローム、リチャード・ケンビン……サーフィンという文化に大きな影響を与えてきた超一流のレジェンドたちが、こぞってライアンが示す無限大の可能性に魅せられ、可愛がってきた。
まずサーファーとしては、あらゆるサーフボードを乗りこなすオールラウンダーである。
そのレベルがいかに異次元かはすでに世界中で語られているとおり。ショートレングスでラディカルなラインを描いたかと思えば、ジョエル・チューダーが世界のトップ・ロガー16名を招待して行われるクラシック・ロングボードの祭典、VANSダクトテープ・インビテーショナルの常連としても知られている。
自身がシェイプした14フィート(427cm)超えのウルトラ・ロングボードでのライディングもホットな話題だったし、かつてライアンの名を世界に知らしめたロードボード(フォームむき出しの四角いフィンレス・ボード)での超絶なライディングは、もはや伝説といっていいレベルだ。
面白いのは、現在ポスト・ジョエル・チューダー世代として羽ばたいている南カリフォルニア育ちのオールラウンダーたち……たとえばアレックス・ノストやジャレッド・メル、タイラー・ウォーレンといったサーファー&シェイパーたちのほとんどがクラシック・ロングボードが基礎にあるのだが、ライアン・バーチは逆。かつて将来を嘱望されたショートボーダーだった。
つまり、前者はサーフィン(サーフボード)の歴史をなぞりしながらオールラウンダーへと成長し、ライアン・バーチは時代をさかのぼっていった形だ。どちらがいいという話ではない。でも育ってきた自身の経験や歴史は、サーフィンやシェイプのアプローチに多少なりの影響を与えてもおかしくないとは思う。
ちなみにライアン・バーチはオーシャンサイド生まれ、エンシニータス在住(ともにカリフォルニア州サンディエゴ群の街)。サーフボード・ビルドの聖地、サンディエゴの空気をめいっぱい吸い込みながら育ってきたローカルだ。
( シンプルだけど驚異的 )
かくして、サンディエゴのヒーローたちに愛されながら育ったライアン・バーチは、今なお自由奔放なサーフィン・キッズの心を宿したままだ。裏話だが、取材したいと思っても彼ほどつかまえるのが難しい男はおらず、取材当日に「急きょトリップへ行くことになったんだ。また今度!」なんてことも。そんな急場に出くわしても「ライアン・バーチだから仕方がないね」と苦笑いで完結するのは彼の人徳ゆえ。とにかくサーフィンとシェイプに夢中なのだ。
トレードマークであるギョロっとしたあの目を見ていると、本当にちがう惑星からやってきた男なんじゃないかと疑いたくなる。そんな唯一無二の男の魅力は、シェイプしたサーフボードにもしっかりと宿っていた。
「ライアン・バーチ FISHES 徹底検証! その2」はこちらへ
ライアン・バーチの動画リンクも貼っておくのでぜひ。
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(サーフボードの取り扱い)
オッシュマンズ新宿店
tel:03-3353-0584
http://www.oshmans.co.jp/
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photo◎Junji Kumano
text◎Blue. Magazine
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