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「ディスプレイスメント・ハル」をテーマに、ホーリースモークの梶川さんをゲストに迎え、シゲさん(市東重明)と共にマニアックなトークを繰り広げた「STOKEHOUSEチャンネル×Blue.コラボ動画 Part.2」。その後編が公開されました。
前編ではハルというボードデザインがどんな特性を有しているのかがメインでしたが、後編は、主にライディングにおけるフィーリングや、乗り方についてを中心にお届けしています。
ボトム全面のコンベックス(ロールドボトム)、ナイフィと称される極薄のレール、かなり前方にセットされる細身のフレックスフィン。ぱっと見では気づきづらいですが、それぞれが極めて個性的な意匠であり、ライディングにもろに直結するパートです。
当然、乗り心地や操作性も他のボードでは得られない特有のものとなり、「ハルはむずかしい」と言われる大きな理由となっています。そんなハルに関するふたりの体験談や考え方を、ぜひ動画にてご覧ください。
さて、ディスプレイスメント・ハルの最たる魅力は「スピード」、一方で難しいのが「ターン」と言われています。これも前述したディテールに起因しますが、ハルのスピードを導くにあたり意識したいことのひとつが、いかにボトムをフェイスに貼りつかせるか、でしょう。
一般的なサーフィン(特にショートボード)はレールtoレールが基本となります。しかしハルの場合、スピードが出ていない状態でターンしようとすると、極薄のレールが波に食い過ぎてワイプアウトを招きます。なので、頻繁にレールtoレールを繰り返すというより、波の面(フェイス)とボードの面(ボトム)を貼りつかせて、フィンのフレックスを活かしながら大きくスウィングするように加速していく、といったイメージでしょうか。
かみ砕くと「ハルはむずかしい」とされるのは多くの場合、ボードを動かそうとしすぎることが理由でしょう。日常のサーフィンで「ボードを動かしたい」という意識が強い人ほど、扱いづらさを感じるはずです。一方で、波に身をゆだねるタイプのサーファーは「思ったより普通に乗れる」と感じるのでは。ただ、前述したスウィングさせるような加速や、遠心力の効いたカットバックを描くとなると、またひとつ上のレベルになってきますが。
結論として、ハルを乗りこなすコツはこれに尽きるのかな、と。
「ハルを、ハルとして乗ること」
いつも乗っているサーフボードの感覚、いつものライディングスタイルのままハルに乗ろうとしても、扱いづらいという結論に至りがちです。
あくまでもハルとして、その特性を理解したうえでハルらしく乗る。それくらい、一般的なサーフボードとは異なる乗り物なんですよね。そんなふうに見えないところがまた、ハルの奥深さでもあります。
今回のコラボ動画の最大の誤算は、シゲさんがあまりにも普通に、簡単そうにハルを乗りこなしてしまうこと(笑)。ボードを操る高い技術と、波に身をゆだねる意識、その両方を体得しているシゲさんのライディングを見て、思い出しました。 「……しまった。この人は天才だったんだ(汗)」 って。
ま、今回の動画はハルの難しさを伝えたいわけではなく、オルタナティブボードきって個性派、ディスプレイスメント・ハルの魅力を皆さんに知っていただき「僕も乗ってみたい!」と興味を抱いてもらうことが最大のテーマなので、それもまたよし!
あー、楽しかった。今回もBlue.らしいテーマとなりました。梶川さん、シゲさん、貴重なお話をありがとうございました!
Blue.
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