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CHRISTENSON
Scrambler
◎シェイパー:クリス・クリステンソン
◎ディメンション:5’7″
◎オーダーレンジ:5’5″~6’5″くらい
◎価格(新品):¥165,000+TAX
◎ライダー:増山裕亮pro(173cm/55Kg)、宮下尚也(174cm/62Kg)
◎photography/iragoday
オルタナティブ・シーンを語る上で、クリス・クリステンソンを欠かすわけには絶対にいかない。FISH復権の立役者のひとりであり、その後は彼が削ったガンでグレッグ・ロングがエディ・アイカウ・メモリアルを、マイク・ヒーリーがトドス・サントスでのビッグウェーブ・コンテストを制覇。超一流への階段を着実に上ってきた、時代を代表するクラフトマンだ。
以前はクラシック・ログやフィッシュが人気を博していたクリスだが、近年はブラッド・ガーラックが彼のボードを愛しているように、オルタナティブとスラスターの要素をミックスしたモデルなど、よりハイパフォーマンスなモデルも目につくようになった。ロングボード、ミッドレングス、オルタナティブなショートレングスからハイパフォーマンス・ボード、果てはガンに至るまで、あらゆるカテゴリーにおいて、クリステンソンは超級であり続けている。世界的な評価を含めたオールマイティぶりは、これまでの歴史を鑑みても、間違いなく指折りの存在と言っていい。
さて、今回の試乗ボードであるスクランブラ―に話を移そう。クリステンソンのボードを見てまず最初に思い浮かぶ特徴は、非の打ちどころなきマイルドさ、すなわちトータルバランスの凄味だ。“美しいものは機能する”とはこのことで、彼のボードはどのモデルを見てもとにかく美しい。なかでもスクランブラ―はエッグがデザインベースとなっているので、そのマイルドさはいっそう際立って見える。クリステンソンにしてみれば、このスクランブラ―はコンケーブやチャンネル、フィンセッティングなど、ディテールの工夫次第で、どんな方向性にも導ける万能機的な存在なのだろう。実際、撮影したボードはマルチフィンを採用しており、トライもクアッドも楽しめる。コンケーブはコンベックス~ダブルコンケーブ~VEE。全体的なボリュームはセンターに厚みを出し、ノーズとテールは薄めの仕上げ。レールもそれに準じてメリハリを利かせている。後述するインプレッションで、2人のライダーが揃って「ボリュームがあるのにリップアクションができる」と語るのだが、このサジ加減こそが、クリステンソンのボードを名機たらしめ、かつ一見して分かる美しさの秘密だ。
★ IMPRESSION ★
Yusuke Masuyama
「とにかくターンの伸びがよかったです。ノーズ幅がありテイクオフが早く、そのまま加速してフラットなエリアでも推進力を維持でき、リップアクションまでつなげられます。ボトムターンからのトップターンは縦にも当てられますね。今回のテストボードは僕にとっては少しオーバーフロー気味だったので、普段スラスターのショートボードに乗っている方は、それより2インチほど短くしてもいいと思います」
Naoya Miyashita
「撮影したボードはラミネートを含めて重さこそ出していますが、ボード自体のデザイン要素であるコンケーブやロッカーなどから生まれるスピードは、本当に格別です。ノーズエリアも幅があり、とてもオルタナティブボードらしいアウトラインですが、それなのにリップアクションも軽い。僕からしたら最高の1本ですね」
テイクオフが早く、ターンが伸び、リップアクションもできる。2人のエキスパートが残した感想は、これまで多くの人から聞いてきたクリステンソン・サーフボードへの評価と同様だった。とにかく「万能」なのだ。持ち上げているわけではなく、誰もがそう口にする。特にスクランブラ―についていえば、以前、誌面の企画で試乗してくれた市東重明と吉川共久も同意見で、その万能ぶりをバレルやエアーで示してくれた(Blue.43号)。見た目のマイルドさは伊達じゃない。なにかの個性が飛び出すことなく、すべてのディテールが美しく融合しているからこその、マイルドなのだ。それでいて「実はけっこう手が入ってる」から、にくい。
余談だが、この撮影ボード、現在のスタンダードであるスカルロゴではなく、トーマス・キャンベルがデザインしたクラシックロゴが付いている。こちらの方が好きなファンもまた多いはず。オーダーすればどちらも選べるということなので、お好みでどうぞ。
=Special Thanks=
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