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MACKIE DESIGNS Sidecut Fish 6’4″

MACKIE DESIGNS
Sidecut Fish

◎Shaper:ミック・マッキー
◎Size:6’4″ × 21″ × 2 3/4″
◎Price:¥250.800
◎Surfer:笹子夏輝(167㎝/63kg)

テールにかけて緩やかにえぐられたアウトラインが特徴的。20年以上にわたり研究し尽くされた独特なバランスはマッキー・デザインだとひと目でわかる

同郷の弟子とも言えるシェイパー、ジョシュア・ケオによるテンプレートを使用したソアー社製のモダンなキールフィンがグラスオン

シェイパーのミック・マッキーはオーストラリア、シドニー南端のクロヌラ出身。1984年にホットバタード・サーフボードのテリー・フィッツジェラルドからシェイプの基本を学び、自宅でシェイピングのキャリアをスタートした。その後、シドニー南部にあるいくつかのローカルブランドでプロダクションボードとカスタムボードをシェイプし経験を積む。そしてニューサウスウェルズ州の南部に妻と移り住むと、サザンリィ・チェンジという名のオリジナルカンパニーを立ち上げた。そのように長年あらゆるスタイルのサーフボードをシェイプしていくなかで、スティーブ・リズによるクラシックフィッシュの再現に興味を持つようになっていったという。

やがてミックはレーベルに自身の名を冠したマッキーデザインを設立。それからというもの、20年以上にわたりサードカーブ(サイドカット)を取り入れたサーフボードをシェイプし続ける。2004年のアンドリュー・キッドマンの作品『グラスラブ』の中でハイラインを失踪しているサイドカットフィッシュがマッキーシェイプだということはマニアックなサーフィンファンたちの間ではよく知られた事実だ。ウィンタースティック、ゲンテンスティックなどスノーボードのアウトラインから影響を受けたこのデザインは、今やライアン・バーチやライアン・ラブレース、ジョシュア・ケオら次世代のシェイパーたちに引き継がれ、サーフボード・デザイン発展の源となっている。

今回試乗したのはミック・マッキーのお家芸と言えるサイドカット・フィッシュ。テールぎわのサイドカットされたアウトラインはナチュラルな弧のターンを描きやすくし、波へのホールド性を高める効果を生む。一般的なアウトラインのサーフボードのように反発によって水面から押し出そうとするのではなく、ターンの最中により長いレールが接水することで波にしっかりと食いつき、さらに適切に施されたサイドカーブに従ってきれいに波をスライスしていくのだ。これはスノーボードのサイドカーブと同じコンセプトで、シンプルでありながら非常に効果的。またたっぷりとボリュームを持たせたノーズエリアによってパドリングをイージーにし、速いテイクオフを実現。しっかりとしたグライド感を味わえるが、いっぽうでテールにかけてはシャープに仕上げられているため軽快なターンも楽しむことができる。

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「このボードは気になっていたデザイン。なぜかというと、最近スノーボードを始めたんです。スノーボードのアウトラインからインスピレーションを受けて作られているボードなので、どんな部分が生かされているのかを知りたかった。乗った感触は、初めてパウダーに連れていってもらったときの浮遊感にそっくり。スピードが乗った瞬間にフワッと浮き上がる。それが後ろ足体重でパウダーの上を滑っていく感覚と本当にリンクしていました。正直なところ、難しい部分もあるボードなので、初心者向けではありません。とはいえ、ノーズ寄りにボリュームがあるのでテイクオフは速い。そしてそのままスピードに乗るんですが、ターンをしようとするとめちゃくちゃよく動くんですよ。スノーボードみたいに長く、大きいマニューバーを描かないとすっぽ抜けちゃう感じがあります。そこが難しい部分なんですけど、うまくコントロールできるとすごく気持ちいい。スノーボードをやっているからなおさら感じた感覚だと思う。スノーサーフが上手い人にぜひ乗ってみて欲しいボードです。今までのサーフィンの概念がまったく覆っちゃうような出会いがしたい人にもおすすめですね」

「カーブも気持ちいいけど、ただ横に走っているときの浮遊感がとくに気持ちよかったですね。めっちゃ速いです」と夏輝さん

ノーズの幅と厚みはしっかりあるのに対して、テールが薄くて細いデザイン。乗り方のコツは「急激なターンをしない」ことだと夏輝さんは話す

スノーボードのカービングのように腰を落としてサイドカーブの真ん中に体重をかけるイメージでターンをすると気持ちよく弧を描ける。ターン時のグリップのよさもこのボードの持ち味だ

=Special Thanks=

ライド サーフ&スポーツ
042-656-1973
www.ridesurf.com

***

movie:Masataka Kiyono
photo:Shuji Nihei
text:Jun Takahashi

BLUE. 104

2024年11月9日発売

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