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三浦半島の丘陵地帯にあたる葉山は、その複雑な地勢から豊かな景観を求めて住まう人々が多い。
だからこそ既存の住宅デザインにとらわれない、立地の特異性と住み手の嗜好を上手く取り合わせた住まいが求められる。
今回お邪魔させていただいた白亜の家は、その好例だ。
それまで都内のマンション暮らしだった若いご夫婦が選んだ立地は、サーファーである旦那さまのご実家の真下。
子供の頃からお隣で、よく知る外国人夫妻からその場を引き継いでくれないかという打診があった。
「庭にある大きなココスヤシは残して欲しい」
老夫婦の願いを受け入れる形で次なる人生の場所を手に入れた。
そこには老夫妻が建てたハワイアンテイストの家があり、最初はそれを活かすリノベーションの道を考えて多くの住宅関連会社を訪ねた。そのなかで出会ったのがスターホームだった。
「引き継いだ家は柱などの躯体もシロアリの害などで老朽化していました。近い予算で新築したほうが長く住めるのでは、と親身に話しを聞いてくれたのがスターホームさんに決めた理由のひとつです。
オフィスがごく近所にあったというのも大きいですね。地元の地勢や環境を熟知している住宅会社だからこそ、この地らしい家を建ててくれるのでは……と思ったんです」
建物のイメージは、SNS上にある好みの事例を収集しながら互いに共有することで、何度も積み重ねた。
設計を担当したスターホーム松野氏は語る。
「実は入社して第一棟目の案件でしたが、とても満足いただけるものを提供できたと思っています。
成功の秘訣はなんと言っても奥さまとの密なコミュニケーション。毎度、松野さんとお話しがしたい、としっかり指名していただけたことで、大きな責任感も生まれました」
ご夫妻に提案したのは、2階にLDK26畳とそれに続く10畳余りのウッドデッキを擁した家。
2階建てであれば地上階にリビングと庭、2階に寝室というのが常套だが、隣接する旦那さまの実家が一段高い土地に建っており、コンクリートの法面が地上階からの視界を遮り、空間も暗くしていた。
そこで、悪条件を逆手にとって、2階は天井を高くして大きなペアガラスとサッシを採用、多くの自然光を取り込み、広い視界も手に入れた。大窓からは敷地のランドマークであるココスヤシの堂々とした姿も眺められる。
外の広いデッキスペースはアウトドア好きな旦那さまと友人たちとのBBQスペースで、サーフボードのメンテ時にも重宝しそう。一方、1階は意識的に天井を低くして落ち着ける空間を演出。ゲストルームや主寝室、バスルームを設置した。
玄関は吹き抜けの土間になっており、ロングボードも余裕で立てかけられる天井の高さ。階段の鉄骨ササラがファサードとなり、2階の大空間へ向かう高揚感を醸成してくれている。
「間取りをどうするかとかではなく、どういったライフスタイルを送っていきたいのか。
家族の長い人生をイメージしながら日々幸せを感じられる家づくりをサポートしていきたいですね」
新居引き渡しとほぼ時を同じくして待望のご長男もこの世に生を受けた。
その日はこの家に関わってきたみなで彼を祝福しているかのようだった。
***
DATA
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種別:注文住宅
居住者構成:夫婦+こども1人
構造・規模:木造2×4二階建て
敷地:168.96㎡(51.11坪)
建築:57.96㎡(17.53坪)
延床:109.30㎡(33.06坪)
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