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#011 – サーフなお家の実例集

#011 – サーフなお家の実例集
(春の柔らかな西陽と優しい風に吹かれながら、愛娘が昼寝から目覚めるまでの夫婦の時間を過ごす。樹々の緑がまぶしい)
 
 
 
 
本物件は、過去に“ガレージハウス・プロジェクト”と銘打って、
8HOTELなどを手がける湘南レーベルと本誌がモデルハウスを企画・実施した家。
実はこれからプロジェクト第2弾もローンチ間近(2021年5月現在)ということで、
住まい手の実際の暮らしをのぞいてみたい。
 
 
 ***
 
 
 
 

#011

気持ちのいい風が抜ける家
神奈川・藤沢

 

 

 

藤沢・湘南台駅からほど近い住宅地にガレージハウスが軒を連ねる一角がある。
瞬時に目に飛び込んでくるその外観は実に個性的で、私たちサーファーの琴線に触れる景観がそこにはある。

 

手がけたのは湘南レーベル。
藤沢と茅ヶ崎に展開する8HOTELをはじめ、建築を軸とした夢のある創造で湘南のライフスタイルを多角的に描き続けているクリエイティブ・カンパニーだ。

 

弊誌とはちょっとした所縁があり、過去にこれらのガレージハウス群へ入居者を募集する際、複数回に渡ってプロジェクトの進捗を誌面で紹介させていただいたり、モデルハウスのひとつを仲間たちとデコレートさせていただいたりした経緯がある。

 

あれから数年が経ったいま、どんな家族がどんなライフスタイルをここで送っているのか気になっていた。

 

(湘南レーベルが手がけたガレージハウス全景。上階を支える基礎の役割も果たしている耐圧盤コンクリートでつくられたガレージ部分は重厚なルックス。中階はLDKと洗面や浴室、最上階はこども部屋などにも利用できるフリースペースと主寝室から構成されている)
(キッチンからダイニングとリビングを臨む。床の高さに変化をつけるスキップフロアは空間にリズムと奥行きを与えてくれる。この物件の大きな個性のひとつだ)

 

この住まいの主は小林さんファミリー。旦那さまはサーファーだ。

 

ガレージと屋内とがつながるエントランス部には2本のロングボードがラックに収まり、傍らには季節ごとのウエットスーツが吊るされている。

 

そして、そのそばには数多くのハードシェル・ジャケットがラックにかけられ、そこから覗くヴィークルは4WD。
聞けば、ガレージの収納部分の扉の奥にはキャンプギアが所狭しと詰まっているという。

 

まさに、あのとき記事で描いていた理想のイメージを目の前にし、軽い心のたかぶりを覚えるのだった。

 

(玄関扉をくぐったあとのエントランス部はサーフギアの収納場所。サッシの奥はガレージで、イージーな行き来が可能。憧れの空間)

 

「サーフィンを始めて以来、車で1時間以上をかけてずっと神奈川の内陸から湘南へと通っていたので、海近の暮らしには憧れがありました。
この物件のことは実はBlue.の過去の連載で知ったんです。建物のコンセプト、そして立地的にも私たちの志向や生活圏と共通項が多く、それが気に入って購入しました」

 

小林さんたちがマイホームの購入を検討し始めた時期と、ガレージハウスの売り出し時期がちょうど重なっていたわけだ。

 

「ガレージの活用法はサーフィンやキャンプに関わること。
プラス、パーキングという用途もあるのですが、もうひとつ、悪天でも濡れることなく家に入れるという生活動線の部分。日々の暮らしでは意外と快適な要素なんです」

 

(友人たちが遊びに来れば、フロアのステップは居心地のいいベンチに様変わり。この家は住まい手にそんな自由さも与えてくれる)

 

ガレージハウスは3フロアから構成されており、2番目のフロアが小林さんたちの主たる居住空間だ。

 

地上階から階段を上がるとダイニングとキッチンがあり、下方へと下がるスキップフロアを介してリビングと屋外デッキへ繋がっている。
フロアの高さが微妙に異なる仕切りのない空間は心地のよいリズムを感じさせてくれる。

 

窓の外は樹々から芽吹いたばかりの新緑の景色。

 

全開口できるサッシをすべて開けば、気持ちのいい風が部屋のなかを通り過ぎていく。

 

(“風通しの良さ”は小林さんたちの住まい選びの絶対条件だった)

 

「夫婦ふたりで決めた、購入する家の絶対条件として、以前住んでいたマンションでは感じられなかった“風通しの良さ”という項目がありました。

この家はちょうど公園の前に位置していて、新たに他者の家が目の前に建つこともありません。

借景にもなっている公園の樹々の緑は季節ごとにいろんな表情を見せてくれ、またたくさんの鳥たちもやってきます。

夫も私もキャンプが大好きなんですが、極端な話、もう行かなくても大丈夫なくらい、毎日ここには気持ちのいい風が吹いています。

この家で子育てができて本当に良かった」

 

(リビングの壁の一面は上階との空間を繋ぐ吹き抜けが採用されている。少しの開口でもあるとないとでは空間の広がりに大きな差が生まれる。上階に明かり取りの窓があれば尚更だ)
(最上階の家族の寝室。窓が多く明るい光が差し込む。良い目覚めが迎えられそうだ)

 

 

さきほどから、昼寝から目覚めたばかりの娘さんをあやす奥さまに窓辺でお話しをうかがっていると、こどもと公園を訪れるたくさんのママたちがこちらを見上げ、笑顔で小林さんたちに手を振ってくる。

 

美しい西陽が差し込むこのコミュニティに、優しくやわらかな時間が流れているのを肌で感じる瞬間だった。

 

 

***

 

DATA

種別:分譲住宅
居住者構成:夫婦+こども1人
構造・規模:在来工法木造2階建(地下ガレージ部分はRC造)
敷地:123.12㎡(37.24坪)
建築:54.65㎡(16.53坪)
延床:136.82㎡(41.39坪)
設計:湘南レーベル

 

 

(ダイニングとリビングを臨む。壁の一面の色を変えるだけでも空間が締まる。色が変化する面を一面だけに我慢するのがキモになる。アクセントはハンス J. ウェグナーやボーエ・モーエンセンのファーニチャー、ルイス・ポールセンの照明などデンマークの巨匠たちや老舗ブランドのインテリア)
(洗面台を挟んで奥に見える色違いの壁の部屋がトイレ、見えない背中側が浴室になっており、動線を一直線に繋いでいる)

 

 

 

【この家を手がけた会社】

湘南レーベル SLE不動産
https://shonan-label.com

 

 

 

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