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季節の巡りによる日照角度の移ろいから軒の出し方を計算した
先人たちの住まいに対する知恵が生きる平屋の建築様式。
そこに最新の設備や建材を採用し、省エネかつオフグリッドにも対応できる
ハイブリッドなサーファーズハウスを実現した。
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代表・菊地さんご自身のライフスタイルからの気づきを糧に、都市部に住むサーファーの目線に重きを置きながら住スペースをデザインするボンドホーム。
土地の広さに制約の多い住宅密集地にあって、縦への空間を活かした構成の工夫で好評を得てきた同社だが、今回ご紹介するのは郊外の平屋スタイルの注文住宅。
とはいえ、そこには構成は変われど通底するボンドホームのアーバンサーファーズハウスたるべきスタイルの数々が詰まっている。
玄関ドアをくぐると大判タイルの土間と、その奥にトレードマークともいうべきサーフボード・クロークとがつながっている。
クイーバーの数々、オールシーズンのウエットスーツほか各種サーフ小物はもちろん、キャンプ用品などサーフィン以外のアウトドアアクティビティで使うギアたちも整然とストックしておける広さだ。
土間の一角には排水口と混合水栓が設けてあるので、砂や泥で多少汚れたって掃除はおろか、冬場のサーフにポリタンクへの給湯も難なくスムースに行える。
シューズを脱いでフロアを進むとトータル約23帖のパントリーを含んだLDK。
ダイニングの続きには外からの目隠し効果もあるルーバーを設えた中庭のテラスを、そして奥のリビング続きには屋外デッキをそれぞれ隣接させたことで、トータルで住まい手の心理に心地よい空間に仕上げた。
「LDKが一直線に配されたスペースって開放感はあるけれどプライベートを保つのがむずかしい。なので仕切るとまではいかずとも、ちょっとした死角があるような空間に故意に仕立てることで、いわゆる筒抜けではない余白が生みだせ、ほどよい広さの部屋が連続しているような錯覚をつくれるんです。
ただし個々のエリアのサイズ感が限られてくるので、同時に圧迫感も出てきてしまう。そこで、半屋外的な要素をLDKの続きに加えることで、限られたスペースだけれども広く感じられるという視覚的効果を醸成できます。開放感を出しながら殺風景な雰囲気を消し去るという空間的バランスを取るための仕掛けです」
そう説明してくれた、ボンドホーム代表の菊地さん。施主である野島さんもそのあたりは特にお気に入りの様子だ。
「大きな開口部があって、明るいリビングがあって、それだけでも良かったんですけど、ダイニングの先に中庭なんかがあったり、もう完全に想像を超えた間取りになっていて驚きです」
そして、デザイン面やハード面だけに終わらないもうひとつの特筆すべき点、それはさまざまなシチュエーションに対応できるハイブリッドな機能性だ。
家の南側に遮るものがなく陽当たり抜群な平屋の広い屋根に載せた太陽光パネルでは常時自家発電。オール電化を採用し、給湯、床下暖房や全館空調、IHほか家じゅうすべてのエネルギーがまかなわれている。
もちろん、家屋自体に高い断熱性や気密性、省エネ性を付加しているので消費エネルギーも低い。それでも余る電気はリアルタイムで売電される。
そして、停電や断水などの際にも太陽光パネルから直接電源を取れるコンセントが装備されていたり、給湯はあらかじめ保温された360リットルのタンクから供給される仕組みで、付属の蛇口から直接水を取ることもできたりと、オフグリッドな仕様にも切り替わる体制だ。
つまり、住まい手にも、環境にも、家計にも優しいサーファーズハウス、それがボンドホームのスタンダードと言えよう。
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DATA
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種類:注文住宅
居住者構成:単身
構造:木造在来工法2階建て
敷地:156.59㎡(47.27坪)
建築:104.34㎡(31.56坪)
延床:113.64㎡(34.30坪)
設計:ボンドホーム
photo◎Kaoru Fujimoto text◎Isao Negishi(KUJIKA)
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